2026.3.7-2026.3.14
このたび、フランスにおける老年医学施設およびホスピス施設を視察する機会をいただきました。
現地では、高齢者医療、認知症ケア、終末期ケア、ホスピスケアの実践について、
施設運営やケアの考え方も含めて学ぶことができました。

■視察を通しての学び
今回の視察で特に印象的であったのは、
終末期ケアが「医療の一部」ではなく、一つの確立された領域として位置づけられていることでした。
老年医学施設では、認知症ケアや慢性疾患の進行、老衰といった多様な経過を含めて、
高齢者の生活全体を支える視点でケアが構築されていました。
また、ホスピス施設においては、
患者の人生の最終段階における価値や意味を尊重し、
その人らしさを最後まで支えるケアが実践されていました。
■印象的であったケアのあり方
現地の実践からは、いくつかの重要な視点を学びました。
・終末期においても「生活」を中心に据えること
・環境を変えず、継続したケアを重視すること
・過度な医療介入を避け、利益と負担のバランスを見極めること
・非薬物療法を含めた多様なケアを組み合わせること
・患者の意思と尊厳を軸にケアを構築すること
これらは特別な技術ではなく、
ケアの前提となる考え方として、日常的に実践されていました。
■看護師の役割について
その中で、看護師は単なる医療処置の担い手ではなく、
患者の状態や生活、価値観を統合的に捉え、ケアを構築する専門職として機能していました。
老年医学や緩和ケアの視点をもとに、
患者の変化を捉え、チームの中で判断に関わり、ケアの方向性を支える存在であることが印象的でした。
看護が「支える役割」にとどまるのではなく、
ケアの質を決定づける中核的な役割を担っていることを実感しました。
■最後に
今回の視察は、制度や仕組みを学ぶだけでなく、
看護の本質や役割を改めて考える機会となりました。
高齢化が進む社会の中で、
人がどのように人生の最終段階を迎えるのか。
その問いに対して、看護としてどのように関わるのか。
今回得た学びを、今後の臨床や教育、そして発信へとつなげていきたいと考えています。
通訳・コーディネーターとして調整をいただきました、奥田七峰子さん。
素敵なコーディネートをありがとうございました。




